会長の時間22
2025年01月15日日田ロータリークラブ会長 江藤秀平
本日は職業奉仕委員会の担当で職業奉仕賞授与式です。
今年度の受賞対象は日田保護区保護司会さんです。表彰に際しまして会長の掛橋泰定さん、副会長の原田富雄さん、事務局の佐藤敏孝さんの3名においでいただき感謝申し上げます。
保護司は本来職業ではなくボランティアの分類になりますが、ほかに職業をもって保護司をされている方がほとんどです。もちろんボラティアなので給与はありません。通信費や交通費など、職務に要した費用の全部または一部が実費弁償金として支給されますがほとんどが寄付や会費で賄っています。任期は2年ですが、再任は妨げられません。多くの保護司の方々が、10年、20年といった長期にわたり活動されています。その方々の日々のご苦労を労う意味でも表彰に値すると思います。そのため日田保護区保護司会さんを対象にさせていただきました。そういう保護司さんとはどのような方なのかというと保護司法・更生保護法に基づき、法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員で、民間人としての柔軟性と地域の実情に通じているという特性をいかし、保護観察官と協働して保護観察に当たるほか、犯罪や非行に陥った人が刑事施設や少年院から社会復帰を果たしたとき、スムーズに社会生活を営めるよう、釈放後の住居や就業先などの帰住環境の調整や相談を行う方で、2024年1月現在、全国に約47,000人います。
また誰でもなれるというわけではなく、人格及び行動について、社会的信望を有すること、職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること、生活が安定していること、健康で活動力を有することなど様々なことに対応していかれるので基本とされる条件は多々あります。日田保護区保護司会には現在37名の保護司さんがいます。実際は41名在籍枠があるそうですが、近年は高齢化と人材不足で大変のようです。75歳までの定年制もあるのですが、なかなか人がいないので延長して業務をお願いしているとお聞きしました。また昨年では保護司さんが更生者から刺殺される事件もありました。驚くことに一番憤慨していたのは更生者さんたちでした。TVで話をしているのを聞きましたが「自分たちを守ってくれる保護司さんを傷つけることなどあってはならないことだ」と話されていました。ただいろんな経歴の更生者さんがいますので、やはり経歴によっては初めて会う時など恐怖とまでもいかなくても心配の面が多々あったと思います。日田保護区保護司会の方々も更生者との定期の面談では今は市役所の事務所で行っていたり、また更生者の住むところにも行って状況把握をしたりしているそうですが、市役所の場所が無い時は保護司さんの自宅でお話をしていたそうです。本当に頭が下がる思いです。
TVドラマにもなった「前科者」という漫画がありました。これは保護司を題材とした物語です。この主人公の阿川佳代さんは大学の奨学金返済と勤めたブラック企業で体を壊した治療費の返済をしながらコンビニのアルバイト等を掛け持ちし、さらに保護司をされ、更生者さんとの日々の日常生活における葛藤を描いたものになっています。内容は、若干誇張されているところもあるかもしれない漫画ですが、これを読まれると少しは保護司さんの実情が理解できるかもしれません。全17巻完結でありますが一読をお勧めします。それでは後で表彰式を行いますのでよろしくお願いいたします。