会長の時間

会長の時間28

2025年03月05日

今月は水と衛生月間です。

 

株式会社リタプラス代表取締役の藤川靖治さんに来ていただきました。本社が日田市大山町西大山にあり、事業内容は林業機械販売・修理、燃料用機販売をされている会社です。HPで経営理念やごあいさつ文を読ませていただきましたが、林業に対する思いやそこから生まれる環境に対する思いが伝わってきました。少し変わった角度でのお話が聴けるものと思います。卓話を楽しみにしています。

 

さて今月は水と衛生月間です。私が日田市管工事協同組合の第4代理事長を務めていますので、日田市の環境問題から水資源の問題に少し触れてみたいと思います。

 

日田市の環境問題は、いくつかの側面から考えられます。水の都、水郷日田と言われていますが、まず最初の問題は「水資源の管理」です。日田市は豊富な水資源を持つ地域ですが、過剰な水利用や水質汚染が問題になることがあります。特に農業や工業活動の汚染が懸念されます。

 

次に「森林の伐採と保全」です。日田市周辺では豊かな森林に恵まれていますが、開発や伐採による森林減少が進んでいます。森林は水源の保全や生物の維持に重要な役割を果たしているため、その保護が求められています。この件はリタプラスの藤川社長さんから詳しくお話ししていただけるかもしれません。

 

さらに「土砂災害」も問題のひとつです。山間部に位置する日田市では、豪雨や山の土砂崩れによる災害が近年多くなってきています。河川の氾濫や水質悪化などもこれが原因で引き起こされます。いろんな角度からの環境問題ですがすべてが「水」に関係しています。

 

少し話の持って行き方が強引でしたが、市民生活に水は重要なライフラインのひとつですから、現在の日田市の配水管問題をお話しします。日田市の上水道の配水管の多くは、設置から数十年が経過しており、老朽化が進んでいます。これにより、漏水や断水のリスクが高まり、水道水の無駄遣いを引き起こすだけでなく、住民に供給される水質にも影響を与える可能性もあります。また配水管の更新には、相応の予算と計画が必要ですが、財政的な制約から十分な対応が難しい状況があるかもしれません。もちろん定期的な点検やメンテナンスの必要です。現在、日田市は管のライフラインについては天神町の道路拡張に伴う管路移設工事に特化した予算が多く、老朽化した配水管の取替工事がずいぶん遅れています。また、昨年の三郎丸橋の災害による緊急対策などの突発的な事案もあり予算組も大変です。それに市職員の上下水道局の現場担当者が少なく、発注件数も県工事主体で市自体の改修工事まで手が回らないのが現実です。

 

2016年11月に福岡市の博多駅前交差点で発生した道路陥没事故は地下鉄工事が原因でしたが、最近では埼玉県八潮市の県道交差点で発生した陥没事故は下水道管による老朽化が原因です。下水道管は大雨の時以外は空洞部分が多く、硫化水素などが発生し溜まりやすく腐食が進みやすい状況にあります。上水道管は常に水圧のかかった水に満たされているので漏水箇所がわりと発見しやすいのですが、地下深いと水が上部に出ないで周りの土を削り陥没等の事故原因となります。日田市は大きな上下水管は道路に入っていないのでこれによる甚大な被害の陥没事故被害はありません。でも上水・簡水による小規模な陥没事故は起こっています。

 

配水管に使われる鋳鉄管は使用環境や管理状況。腐食の程度、地盤の状況などによって大きくことなりますが、一般的に50年くらいだと言われています。日田市も老朽化対策を毎年して更新工事をしていかないと大変なことになる可能性はあります。もちろん、日田市だけでなく日本全体が管路の老朽化問題を抱えているわけですから、今後の水道管の改修工事計画も行政がしっかりと考えていかなければ問題だと思います。