会長の時間

会長の時間17

2024年12月04日

日田ロータリークラブ会長 江藤秀平

 

今回は私の入っている会のひとつで「高齢者住宅環境整備研究会」の話をしたいと思います。この会は平成7年に発足し、最初の会の名前は「高齢者住宅環境整備ボランティア会」でした。当時は軽微なリホームや修理などはお年寄りがどこに頼んでよいかわからずに困っていた状況でした。ですから我々はボランティアとして(決して金儲けとしてではなく)建設業の仲間たちと高齢者の住宅環境を良くしようと考えて、樋口設計事務所の樋口健一郎社長の呼びかけで20社ほどの建築、建具、左官、造園、板金、塗装、内装、電気、管、資材販売等いずれもその道のプロたちが集まりました。

 

当時は65歳以上の高齢者で近隣に子供たちがいなく、単身か高齢者ご夫婦のみの世帯を対象として工事の希望を募りました。基本は資材原価のみ有償で工費等の労務費は会より負担していました。もちろん会費は会員の会社から負担していただき、毎月1回朝7時にホテルソシアに集合し、打ち合わせをして年2回の前期5月、後期が9月に募集を市報に掲載していました。当初は年間100件を超す依頼があり、民生委員さんや福祉協議会さん、そしてケアマネージャーさんからの依頼が中心で数多くの修理・改修をしてきました。

 

この会はもう30年近く続いて、改修件数も1000件を超しています。今ではお年寄りから直接依頼が来ています。まだこの会は継続中ですが、最近は依頼件数が年間10数件になりました。それは補助金等が確立され一般建設会社が改修工事に参入してきたからであり、そのため一時は会としてのお役目は果たしたと思い解散案も出ました。最終的に一人でも依頼があるうちは頑張ろうということになり、会としても会員の高齢化や廃業の問題もあり、会員メンバーは変わりつつ楽しんで運営しています。

 

また名前を「ボランティア会」から「研究会」に変えたのは私が2代目の会長になったときに変更しました。本当に困っている人は無料なのに「代金を支払いします」と言われ、裕福な人ほど「ボランティアだからタダでしょう」と言われる方もいました。また大きな豪邸で小型犬を抱いて「タダでないならお抱えの建設会社にお願いしますから」とまでおっしゃられたご婦人もいました。そこで「ボランティア会」の名前だと無料だと誤解を招くようなので名称を「研究会」に変えさせてもらいました。発足当時からのバリアフリー化のユニバーサルデザインを高齢者のために常に新しく良いものを考え創り出していく様に「研究会」にしました。なかなか高尚な思いの割には良い案は出てきませんが、それでも修理が終わった後の依頼者の喜ぶお顔が見られるのは嬉しいものです。

 

現在は井上塗装の井上金作社長さんが3代目会長として会を引っ張って行ってもらっています。近所で高齢者の方が建築問題で困っておられたら毎年5月と9月の市報に申し込みを掲載していますのでよろしくお伝えください。工事費用は無料ではありませんが、内容によってはいただかない場合もあります。お見積りも出しますので安心してください。まだまだ高齢者の為にこの会の必要性はあると思います。もう少し頑張りますのでよろしくお願いします。