会長の時間14
「 やせる薬について 」
日田ロータリークラブ会長 北郷太門
今日は、テレビ等でも話題になっている「肥満に効果のある薬」の話をします。
つい先日、「アライ」と云う薬が大正製薬から、発売されました。これはリパーゼと云う脂肪を分解する酵素を阻害することで、脂肪の吸収を抑え、食事中の脂肪の25%を排泄させる作用があります。約200人の日本人を治験対象として、平均20週目で3センチ、40週目で4、5センチの腹囲の減少が確認されています。主な副作用では、下着に油が付いたり、汚れがあったとの報告があります。
もっとハッキリした効果がある薬ですと、少し専門的な話になりますが、元は糖尿病の薬として開発されたSGLT2阻害薬やGLP-1作動薬と云う薬があります。東京や都会の一部の美容系のクリニックでは、ダイエットを目的として、オンライン診療でこの薬を郵送しているところもあります。
SGLT2阻害薬は、血中の糖を積極的に排泄させることで、血糖値を下げ、体重を減らす効果があります。また心不全のリスクを減らす効果もあります。
特にGLP-1作動薬は、インスリン分泌を促し血糖値を下げるだけでなく、脳内の食欲中枢に作用し、食欲を抑えることで、体重を減らす効果があり、美容系のクリニックで、よく使われています。「オゼンピック」は自己注射薬ですが、「リベルサス」は内服薬です。デンマークのノボノルディスクファーマと云う大手製薬メーカーが開発しました。
3月に、肥満治療薬として、日本で30年ぶりに保険適用された「ウゴービ」と云う薬ですが、FDA(米食品医薬品局)の発表では、心血管系の疾患が原因による死亡リスクを20%下げたと報告されています。肥満症で健康リスクが高い方には、いい薬だと思います。
肥満やダイエットについて、職業柄、私もよくアドバイスを求められますが、まず食事のカロリー以上の運動をして下さいと言っています。冬は寒いし、雨や雪も降るし、運動を続けるのは、つらいとの声も聴きます。
「何かいい薬は、ありませんか?」と聞かれますので、その時には、「コスモスかドラモリに行って、漢方薬で防風通聖散と云うのがあるので、しばらく飲んでみては?」と言っています。これは昔からある薬なので、安心しておすすめできます。
「それでもだめなら、ごはんやパン、麺類を食べなさんな」と言っています。
皆様も、腹八分目を心がけ、野菜や海藻類、ビタミンを多く摂り、体重の増加や肥満に気を付けましょう。
会長の時間を終わります。