外部卓話 パゴダ会 代表 古庄 重生 氏
パゴダ会 代表 古庄 重生 氏
1、自己紹介
私は別府から来ました、古庄です。団塊の世代の68才です。平成13年に私の勤めていた会社、㈱祭原食品卸が現三菱食品と合併し、その時退職し1年くらいブラブラしていましたが、若い頃からの夢で何かボランティアをしたい思いがあり、タイに当時タイ味の素の友人を訪ね、一時的にはエイズ撲滅のボランティアに参加していました。タイは経済発展著しく私は疑問に思っていました。そんな時、APUの卒業生のミャンマー人に誘われて、ミャンマーに初めて行きました。ミャンマーには私の子供の時の世界があり、人々は優しく、一回で虜になってしまい、13年が過ぎようとしています。
2、ミャンマーについて
国 名 ミャンマー連邦
面 積 67万平方キロ(日本の約1.9倍)
人 口 5100万(2015年調査) 5400万(2004年調査)
「正確ではない」 一説では6000万という人もいます。
首 都 ネーピードー
2006年までヤンゴン(経済の中心はヤンゴン)
公用語 ミャンマー語
英語はイギリスの統治100年でできる人多数
「ミンガラーバー」…「おはよう、こんにちは、こんばんは、挨拶」
「チーズテンバレー」…「ありがとう」
宗 教 仏教徒85% キリスト教、その他15%
通 貨 KS(チャツト) 1000KSが日本円で約100円
10分の1と思ってください。
時 差 日本と2時間半、
日本12時であればミャンマーは9時半です
3、現在の政情
皆さん、テレビや新聞の報道で3年前に比べてかなり正確な情報が入っているのでわかっていると思いますが、簡単に説明いたします。
1960年代にスーチーさんのお父さんが暗殺され中国の影響下社会主義が1990年まで続いていました、1990年の総選挙でスーチーさん率いるNLDが圧勝しましたが、スーチーさんを監禁し、さまざまな圧力をかけ、中国の肝いりで軍事政権が誕生しました。2011年には総選挙をし、NLDがボイコットしましたが少しずつ民主化に向かっていました。2015年に再度総選挙を行い、NLDが大勝し、今年の4月より民主政権が誕生しています。
今までの軍の動きを見ていると、3月に何か起きるのではと思いましたが、スムーズに政権交代が出来てうれしく思っています。
4、治安
40年以上社会主義政権、軍事政権が続き治安は安定しています。仏教徒が多数ですので優しい人が多いです。日本人は尊敬されているので特に大事にしてくれます。外国人には危害は加えません。反面小銭がよくなくなります。
5、学校建設のきっかけ
2008年5月、ミャンマーの人々が経験したことのない台風「サイクロン」がエーワーデー管区とヤンゴン管区を襲いました。政府発表で13万人の人が亡くなった大災害でした。私はヤンゴンに住んでいました。電気、水道が10日止まり、不自由な生活を強いられました。エーワーデー管区は食料が不足し、私たちはミャンマーの若い人と持てるだけのお米やラーメンなどの食糧は持ち込もうとしましたが、外国人には規制線があり、私は入ることが出来ませんでした。若い人に食糧を託し、引き揚げました。
その後3ヶ月が経ち、現地ユニセフの友人に誘われ、エーワーデー管区の村に入ることが出来ました。現地の家は木材と竹とヤシの葉で造る簡単な住まいです。なるほど多くの犠牲者が出るはずだと思いました。その時ユニセフの友人が飛んでしまった学校を前に私に学校建設を依頼されました。
日本も70年前アメリカを中心とした国々から支援を得て現在の繁栄があります。基礎教育は国家成長の基盤で本来はもちろんその国が自ら行うべきものですが、それが経済的に困難で悔しい思いをしている地域が多く存在しています。私たちは現在の経済的地位を日本が自らの力で得たと誤解や思い上がることなく後発の国々を当然支援しなければいけないと思います。「経済的に利用しよう」などの考えはもっての外です。
なんとかしなくてはと思い、1校目は私と友人でお金を出し合い建設しました。1校建設することで村々からの要望があり、現在12校を私の友人知人の協力で建設しています。
ロータリー関係は日田ロータリーと兵庫県の加古川中央ロータリーに協力いただいています。大分中央ロータリーに先月8日に出向き、建設依頼の卓話をいたしました。
6、学校建設にかかる費用、時間、資金調達
現在1校あたり日本円100万円を基本にしています。村の人に労働力は提供してもらい、村の人にも自助努力させています。子供たちの机や椅子や黒板も寄贈したいと思っています。工期は4ヶ月くらいでできます。
資金調達は私の知人友人に働きかけています。今まで造ってくれた人も友人に働きかけてくれています。自分のできることを無理せずやろうと思い、色々な話はありますが、NGOやNPOは立ち上げていません。
7、先生について
1校目、2校目は先生4人は私たちが雇っていました。大分の元丸食監査役長野氏、大分中央農産渡辺さん、弁護士の岩崎先生、永松さん、私が、月額3千円でした。急激な経済発展で先生がヤンゴンに行き、困っています。
3校目は尼さんが運営し、先生をされています。4校目以降は政府から先生を派遣してもらっています。
政府が先生を派遣してくれる基準が、学校の広さが縦30フィート横60フィートですので、今はその基準の学校を建設し、派遣してもらっています。1校目のテンゴン村は現在広島のグループの協力で新しく建設を行い、3月に開校式を行います。20F×40Fを30F×60Fにし、先生を政府から派遣されます。
8、キィタンゴン村について
2014年3月にみなさまの日田ロータリークラブの資金協力でできました。生徒数は74名で元気に勉強しています。昨年はお米が豊作で村の地主が隣に中学校を建設してくれました。今年の2月にはみなさまの協力で井戸をキィタンゴン村とワチョン村に寄贈しました。乾期の水不足は解消され、遠くまで水汲みしなくてよくなり、子供たちや先生は大喜びです。小学校建設がきっかけで中学校や井戸ができ、少しずつですが子供たちが勉強できる環境ができています。本当に感謝いたしております。
みなさん、時間が取れましたら行って見てあげてください。ツアーでは経験できない旅ができますよ。
9、今後について
継続することが大切です。私は現在年6回の訪問で各学校を最低でも年2回は訪問しています。12校で来年は2校増え、私自身大変ですが頑張っています。一人でも多くの子供たちに勉強のできる環境をと思っていますがなかなか思うようにできません。先月広島で岡村さんのグループに15校目の建設をお願いしました。
学校を建設していただいた個人やグループには1年に1度の訪問をお願いしています。「継続が大事」みなさん快く来ていただいています。私自身大変ですが、できることを一歩一歩して行きます。皆様方の協力、切にお願いいたします。今後ともよろしくお願いいたします。