会長の時間

会長の時間28 平成26年2月5日(水)

2014年02月05日

「マキャベリの語録から」2014.02.05

日田ロータリークラブ会長 橋本信一郎

 

インターネットの「国際ニュース早読み」というメールマガジンに、マキャベリの語録を引用した記事がありました。なるほどと思ったのでご紹介します。

 

マキャベリは今から500年ほど前の、イタリア・ルネサンス期の政治思想家でフィレンツェ共和国の外交官でもありました。著書に『君主論』『戦術論』などがあり、政治は宗教・道徳から切り離して考えるべきであるという現実主義的な政治理論を創始した人です。

 

さて、以下、記事を読んでみます。日本を取り巻く状況を想定してください。

 

「マキアヴェッリ語録」の中には以下のようなことが書かれています。

 

1 指導者が心していなければならないことの一つは、「よほどの切迫した情況にでもならない限り、自分より強力な者と組んで、第三者に対して攻撃を仕掛けてはならない」という事である。

なぜなら、たとえ、それによって勝利を収めても、あなたは自分よりは強力なパートナーの捕らわれ人になってしまうからだ。

 

2 ある人物が賢明で思慮に富む人物である事を実証する材料の一つは、たとえ言葉だけであっても他者を「脅迫」したり「侮蔑(ぶべつ)」したりしないことであると言ってよい。

なぜなら、この二つの行為とも、相手に害(打撃)を与えるのに何の役にも立たないからである。

更に「脅迫」は、相手の用心を目覚めさせるだけだし、「侮蔑」はこれまで以上の敵意をかき立たせるだけである。その結果、相手はそれまでは考えもしなかった強い執念をもって、あなたを破滅させようと決意するに違いない。

 

3 次の二つの事は、絶対に軽視してはならない。

第一は、「忍耐」と「寛容」をもってすれば、人間の敵意といえども溶解できるなどと思ってはならない。第二は、「報酬」や「援助」を与えれば、敵対関係すらも好転させうると、思ってはいけない。

 

 

マキャベリズムといえば、権謀術数といった悪い意味で使われることがありますが、人間や現実に対する透徹した洞察力は現代でも十分に通用するものだと思います。マキャベリは五百年も前にアジアの国々に忠告してくれていたようです。

 

やはり、長く読み継がれてきた古典にはそれだけの価値があると思います。早速、作家の塩野七生さんの「マキアヴェッリ語録」をアマゾンで取り寄せました。