会長の時間41 平成25年5月29日(水)
「相手を知る」2013.05.29
日田ロータリークラブ会長 橋本信一郎
昨今、日本南西諸島の波が高くなってきましたので、中国人の考え方について学ぶことは無駄ではないと思いますので、少しお話したいと思います。
中国には「孫子」や「呉子」など古来、数多くの兵法書があり、戦国大名など日本の武家も大いに学んできましたが、「三十六計」という清朝初期にまとめられたといわれる兵法書があります。
この本には、様々な時代の故事・教訓がちりばめられ、中国では「孫子」よりも「三十六計」のほうが、庶民に慣れ親しまれており、日常生活でも幅広く引用されているようです。
中国映画「赤壁(レッド・クリフ)」を観ていますと、盛んに「借刀殺人」だの「瞞天過海」だの「三十六計」からとった言葉が盛んにセリフに出て来ていましたので、庶民が普通に使っている考え方なのでしょう。
日本人の中国駐在員が「三十六計」の本を机の上に置いていたら、中国人の愛人が「あなたは私から逃げ出すつもりか」と怒り出したという笑い話?もあるそうです。「走為上:逃げるをもって上策となす」です。
最近の尖閣周辺の中国艦船の動きを見ていると「瞞天過海 」つまり、「 敵に繰り返し行動を見せつけて見慣れさせておき、油断を誘って攻撃する。秘密は公然としているものに隠されており、秘密と公開は決して対立するものではない」という彼らの戦略を感じます。領海・領空侵犯の意図を公然と見せつけているといえます。
そして「以逸待労 – 直ちに戦闘するのではなく、敵を撹乱して主導権を握り、敵の疲弊を誘う」のではないかとも思えます。
中国は海洋監視船の増強も含めて空母や潜水艦のほかに強襲揚陸艦などの海洋戦力の大増強を図っており、特に、強襲揚陸艦は港湾施設のない離島などでも、短時間で武装兵員や戦闘車両を上陸させることが出来ます。
我国は、相手の意図を見抜き、手を打ち、警戒を怠らぬことが大切だと思います。