会長の時間23 「企業経営者はM&Aをどう使うか 〜怖がらず、賢く〜」
皆さん、こんにちは。今日は少し“硬そうな”テーマです。
M&A。 この言葉を聞くと、
「うちはまだ早いよ」
「いやいや、うちは売りませんよ」
「そもそも関係ない」
という声が聞こえてきそうです。
でも実は、
M&Aは“するかしないか”よりも、“知っているかどうか”が大事なんです。
私がM&Aを積極的に進めているわけではなく、M&Aの考え方を理解してもらおうと考えております。
1.M&Aは「結婚」に似ている。
私はよく、M&Aを「結婚」に例えます。
いきなりプロポーズはしませんよね。
- 相手を知る
- 自分を整える
- 将来像を描く
これをせずに結婚すると…
まあ、いろいろ起きます(笑)。
M&Aも同じです。
突然「売ります」「買います」ではなく、
日頃から準備している会社ほど、うまくいく。
M&Aには2つあります。それは守りのM&Aと攻めのM&Aです。
2.守りのM&A 〜会社を終わらせないために〜
今、日本では黒字廃業が増えています。
儲かっているのに、後継者がいないからやめる。
これは、地域にとっても大きな損失です。
M&Aは、
「もう無理です」の選択ではなく、
「次に託します」の選択です。
社員さんの雇用を守り、
取引先との関係を守り、
地域の灯を守る。
これは立派な経営判断です。
3.攻めのM&A 〜時間を買う〜
一方で、攻めのM&Aもあります。
- 新しい分野に入りたい
- 若い人材がほしい
- 商圏を広げたい
ゼロからやると5年かかることも、
M&Aなら一気に進むことがあります。
私はこれを「時間を買う経営」 と呼んでいます。
時間はお金では買えませんが、
M&Aなら少し短縮できる。
経営者にとって一番貴重なのは、
実は“時間”かもしれません。
4.税理士から見る「危ない会社」
ここで少し税理士としての本音を言います。
M&Aの相談を受けたとき、
まず見るのは決算書です。
そこで、
- 社長の財布と会社の財布が一体化している
- 節税しすぎて利益が見えない
- 月次試算表が出ていない
こうなると…
「まずは整えましょうか」となります(笑)。
つまり、
良いM&Aは、良い日常経営の延長線上にある。
特別なテクニックではありません。
5.経営者の最大の責任は「選択肢を持つこと」
私は思います。
経営者の責任は、
“どれを選ぶか”よりも、“選べる状態をつくること”。
- 子どもに継ぐ
- 社員に継ぐ
- 第三者に託す
- 自ら買収して拡大する
そのすべてが戦略です。
「知らなかったから廃業した」ではなく、
「考えた上で決めた」と言える状態にする。
それが成熟した経営者ではないでしょうか。
6.M&Aは怖いものではない
M&Aは、
- 失敗
- 敗北
- 身売り
ではありません。
むしろ、
未来を考えた前向きな一手です。
怖いのは、
何も考えないこと。
そして一番危ないのは、「まだ大丈夫」と言い続けることかもしれません(笑)。
7.結びに
ロータリーは「つなぐ」組織です。
人をつなぎ、
想いをつなぎ、
地域をつなぐ。
M&Aもまた、
会社と会社をつなぐ営みです。
どう使うかは、
経営者の器量次第。
怖がらず、
でも軽く扱わず、
賢く使う。
それがこれからの時代の経営ではないでしょうか。
ご清聴ありがとうございました。