会長の時間

会長の時間03

2025年07月16日

「祇園祭りに見る伝統と地域のつながり」

日田ロータリークラブ会長 小ヶ内聡行

 

皆さま、こんにちは。

本日は、私の大好きな「祇園祭り」について、京都の祇園祭と、私たちにとって身近な「日田祇園祭り」を取り上げて、お話させていただきます。どうぞお付き合いください。

まず、祇園祭といえば、日本三大祭りの一つに数えられる京都の祇園祭が有名ですね。起源はなんと、平安時代の869年にさかのぼります。当時、疫病が流行した際、神仏に祈りを捧げて鎮めるために行われた「御霊会(ごりょうえ)」がその始まりです。京都祇園祭の前祭(さきまつり)山鉾巡行において、先頭を務める長刀鉾(なぎなたぼこ)には、毎年「稚児」と呼ばれる少年が乗り込み、巡行のスタート時に「注連縄切り(しめなわぎり)」という非常に重要な儀式を行います。「山鉾巡行」は圧巻で、動く美術館とも称されるその豪華な山鉾は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

 

さて、これに対して私たちの地元・日田祇園祭りもまた、誇るべき伝統を持っています。

その起源は江戸時代、1700年代初頭といわれており、京都の祇園祭の影響を色濃く受けています。祭神も同じく、八坂神社の素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀り、疫病退散を祈願する意味合いを持っています。最大の見どころは、高さ7メートルを超える豪華な「山鉾」が、細い町筋を曳かれる姿です。その技術と迫力、地域の結束力は、まさに「小京都」と呼ばれるにふさわしいものだと感じています。

 

京都と日田、それぞれの祇園祭りには共通点と違いがあります。共通するのは、どちらも「厄を祓い、地域の安寧を願う」という精神に根ざしていること。そして、町民が一体となって支え、次世代に受け継がれているという点です。

一方で、規模や様式、参加の形は異なります。京都は観光都市として、全国からの注目を集める一大イベント。日田はより地域密着型で、顔の見える関係の中で、町内ごとの誇りと絆が育まれていく。

この「違いの中の共通性」にこそ、私はロータリー的な“つながり”の本質があると感じています。

 

祇園祭りを支えるのは、決して行政や一部の団体だけではありません。地元の人々の参加と誇りです。山鉾を飾る、綱を引く、太鼓を打つ。すべてが「私がこの地域の一員である」という意識につながり、それが“絆”を育てます。これは、ロータリーの奉仕活動とも通じる考え方ではないでしょうか。

最後になりますが、私はこの「伝統」と「地域の力」というものを、ロータリーの活動にも取り入れていきたいと思っています。

地域の文化を学び、守り、そして次世代に伝える。それは、奉仕の一形態であり、まさに「つながる」「未来を創る」ロータリーの精神そのものだと考えています。

この夏、皆さまもぜひ、祇園祭りに足を運び、町の鼓動を感じてみてください。

本日はご清聴、誠にありがとうございました。

次回の会長の時間は「好きな映画から学ぶ、希望とつながり」です。ご期待ください。