会長の時間24
「 台湾経済、半導体、TSMC 」
日田ロータリークラブ会長 北郷太門
先週の会長の時間では、「台湾有事は、日本有事か?」と云うテーマで、お話しました。
今日の卓話は、台湾の企業TSMCや半導体について、お話しします。
2022年日本開発銀行の資料ですが、台湾のGDPはドル換算で、7626億ドル、一人当たりGDP32,888ドル、経済成長率2.45%。です。日本はGDP4兆2600億ドル、一人当たりGDP33,815ドル、経済成長率2023年1.7%。参考までに、韓国の一人当たりGDPは、32,255ドルで、日本台湾韓国は、近年一人当たりGDPは、ほとんど同じになっています。
昨今の台湾経済の中心は、ご存じの通り、半導体の製造です。半導体って、私もよく知らなかったので、調べましたところ、簡単に言えば、電気を通す通さないを、瞬時に切り替える素材のこと。この性質を発見し、技術利用したことで、スマートフォン、エアコンなどの家電や自動車など、私たちの身の周りのすべてのものに使われるようになっています。戦後の日本を支えたダイオード、トランジスタ、ICの発達したものが、今では半導体と言われるものでしょうか。最近では、生成AIと言われる人工知能にも不可欠なものです。
この半導体の受託製造を、TSMCが世界シェアの56%、UMCやPSMC等も8%以上あり、台湾勢で65%を占め、台湾の輸出総額の4割を占める基幹産業になっています。国別では、韓国のサムソン電子は11%、その他中国、アメリカ、イスラエルとなっていますが、台湾は65%なので、圧倒的です。
この数年、この半導体不足が原因で、車や様々な製品の製造にブレーキがかかり、あちこちに支障が生じていました。原因は、コロナ禍での生活様式の変化で、リモートワーク、ゲーム、ショッピングなどの急速なオンラインの普及がありました。もう一つは、中国とアメリカの覇権争いです。「半導体を制する者は、世界を制する」と云う言葉を聞いたことがあります。半導体は、アメリカの経済安全保障にも関わると云うことで、中国の半導体製造能力を阻止するため、数年前から輸出規制をかけていることも半導体不足の原因です。。
補助金を出して、TSMCやサムソンなどに移転を促しました。また中国による台湾への地政学的リスクもあるため、TSMCは日本だけでなく、米国アリゾナ州やドイツのドレスデンに工場進出を表明しています。このTSMCが熊本県菊陽町に工場を建設中で、いよいよ2月24日に開所式、10月から操業との報道がありました。菊陽町とその周辺は、土地が足りないとか、山林が3倍の値段になったとか、今まで軽トラに乗ってたおじさんが、いい車に替えたとか、農家の息子がBMWを買ったとか、景気のいい話やバブル経済に湧いていることは、皆さんも聞いていると思います。
私もこの半導体産業に注目して、頭の体操程度に株や投資信託を買っていますが、最近は期待以上のパフォーマンスが出ています。本日のゲスト卓話は、野村証券ご出身の方なので、資産運用とか株式投資のいい情報が聞けるかなと期待しています。
次回は、日台交流、台湾企業の誘致について、話したいと思います。
会長の時間を終わります。