会長の時間11
2020年10月21日
日田ロータリークラブ会長 井上太香美
民主主義を考える。
米国の大統領選挙が近づいてきました。民主主義の鏡のように言われてきた国の選挙ですが、一言でいうと「酷い」の一語でしょう。ただ、ただ、相手の悪口の言い合いにしか聞こえません。「人民の、人民による、人民のための政治」の根幹は選挙です。それぞれの候補が、それぞれの所感により政策を民衆に訴え、より多くの支持を集めた者が民衆の代表に選ばれて、公平に民衆のための政治を行うというのが、米国流の民主主義だと思っていました。自分と自分の支持者のための政治を行おうとするなど言語道断です。今の2人の候補の主張は、聞くに堪えないものであり、他国の政治体制に口を挟む資格はありません。
心すべきはトランプ流の民主主義を称賛する指導者が、国際社会の指導者の中に多数存在し、少なからぬ人々の支持を得ているということであります。
民主主義の最終的決定方法は、審議を尽くした上での多数決です。しかし、多数の異見が正しいということではありません。ここのところをはき違えている人が多く居ます。多数決や全員一致ということが誤った方向に導いた事例は歴史上多々見られるところです。
政治をつかさどる者や、各組織におけるリーダーは自分と違う意見を大切にしなければなりません。
日本の政治に目を向けたとき、自分と違う意見を排除する場合その理由を、丁寧に国民に説明するべきです。批判に対して「それは当たらない」「それは関係ない」などという会見は「おごり」の典型であります。速やかに国会を召集し、野党との論戦を通じて国民にその意とするところを明らかにすべきでありましょう。数を頼んだ国政の運営はあってはならないと思います。