会長の時間22 平成25年12月18日(水)
「中国の食品問題」2013.12..18
日田ロータリークラブ会長 橋本信一郎
台湾で、中国からは食料品を輸入していないという話を聞きました。香港やマカオでも同じと聞きました。彼らは、中国本土の危険な食品のことをよく知っているからだと思います。
日本には生鮮食料品が八十八万トン輸入されていますが、そのうち、六割近い五十一万トンが中国からの輸入です。日本は大丈夫なのだろうかと、常々不安に思っていました。
月曜日に「未来世紀ジパング」という番組で「危険?中国食品問題の実態」という放送がありましたが、この番組を見て少し安心しました。
日本には素晴らしい検疫システムがあります。全国の港や空港に三十二か所の検疫所があります。そこで怪しいと思われた食品は検疫検査センターに送られ、約四百人の検査官が二百項目以上の厳しいチェックをしています。
日本の食の安全は、この世界一厳しい検疫システムで守られています。このシステムは世界でもよく知られ、各国からも研修に来ていますが、TPPに取り入れられて世界標準になる可能性もあるそうです。
二〇一二年度に検出された違反の第一位は中国の二百二十一件ですが、二位はアメリカの一九〇件でした。違反率でいえば、平均は0.6%、アメリカは0.81%ですが、意外なことに中国は0.25%まで下がっているそうです。
毒餃子事件以来、中国側も日本向けの輸出品に関しては、かなり厳重に検査していると思われます。
但し、中国国内の食の安全の実態は、恐ろしい限りです。
上海郊外の農地では、ジクロルボスという残留性の高い劇薬が大量に使われ、除草剤も基準の2倍以上の濃度で、農民はマスクもせずに平気で撒いています。本人も危険という意識が全く無いようです。
市場で買う庶民も、キュウリに花がついているのは成長促進剤が使われているからだとか、ミカンの色が斑なのは着色されているといって、選別して自己防衛していました。
家では、野菜を水につけオゾンで消毒したり、長い時間、水で洗って食べていました。
乾燥湯葉を作っている現場でも取材していましたが、製造の様子を平気で見せてくれるし、これを入れないと売れないんだと言って、添加剤を入れていることも話してくれます。ここでも、全く悪気がないようでした。
悪意でやるのも怖いけれど、無知と悪気が無いというのも、皆が被害者となるから、もっと恐ろしいと思います。
その乾燥湯葉を日本に持って帰って分析したら、チオ硫酸ナトリウムという写真の現像剤につかう薬品や、ゴキブリ駆除に使うホウ素が入っているということが判明しました。
今まで中国に行って、野菜やら魚介類、肉などを火鍋に入れて「旨い、旨い」と言って、食べていましたが、もう食べる気がしなくなりました。一部に改善の取り組みは始まっているようですが、中国で中国人が安全な食を手に入れるのはいつの日になることでしょうか。